執筆:虹の架け橋 編集部 N
2019年10月15日の体験をもとに執筆
今から7年ほど前、私は一緒に暮らしていたうさぎを見送りました。
持病もなく、前日まで特に変わった様子もありませんでした。
それなのに、ある朝起きると、すでに亡くなっていました。あまりにも突然のことで、心の準備はまったくできていませんでした。
当時は今ほどSNSやインターネットから情報を得る機会も多くなく、
「ペットが亡くなったときに何をすればいいのか」
ほとんど知識がありませんでした。
この記事では、私が実際にうさぎのピピを見送ったときの経験を振り返ります。当時の自分が感じたことや、今振り返って「こうしておけばよかった」と思うことを、ひとつの体験談として残しておきたいと思います。
ピピとの出会い


出会いはピピが生後2か月頃のことでした。
まだ小さな身体に、ふわふわとした柔らかな毛。よちよちと飛び跳ねながら動き回る姿がとてもかわいくて、家に迎えたその日から、家族みんなで大切に育てていました。
うさぎは、犬や猫のようにいつも人にべったりと甘える子ばかりではありません。
そのため、ピピが少しずつ私に心を開いてくれたことが、とても嬉しかったのを覚えています。
特に印象に残っているのが、私の腕の中で眠っていた姿です。抱き上げても嫌がることなく、腕の中で安心したように眠ってしまうことがありました。
小さな身体を抱きながら、「この子がずっと元気でいてくれたらいいな」と思っていたことを、今でも覚えています。
しかし、その日は何の前触れもなく突然やってきました。
朝起きたら、もう亡くなっていた

うさぎのピピには、特に持病はありませんでした。年齢を考えれば老衰だったのかもしれませんが、前もって「もうすぐお別れが来る」と感じるような出来事もありませんでした。
朝起きて様子を見たときには、すでに体は冷たく、死後硬直も始まっていました。その状態を見て、私は亡くなっているのだと判断しました。当時は病院へ連れて行くことも考えませんでした。
今振り返っても、突然すぎて、悲しいという気持ちよりも先に、
「これからどうすればいいんだろう」
という戸惑いのほうが大きかったことを覚えています。
何から始めればいいのか、まったく分からなかった
ペットが亡くなったら、遺体をどうすればいいのか。
葬儀社を探すのか。
どこへ連絡すればいいのか。
火葬にはどんな方法があるのか。
費用はいくらくらいなのか。
当時の私は、そのどれも知りませんでした。スマートフォンで近くのペット葬儀業者を検索しましたが、そもそも火葬方法に種類があることすら分かりません。料金相場も分かりません。比較するという発想すらありませんでした。
とにかく、
「早く何とかしなければ」
という気持ちだけがありました。
「早く火葬しなければ」と焦ってしまった

私は、亡くなった後はすぐに火葬しなければならないと思い込んでいました。
「時間が経てば、すぐに傷んでしまうのではないか」
そんな不安があり、とにかく早く火葬することを優先しました。
一番近くにあった葬儀業者へ電話をかけ、「今からでも大丈夫ですか?」と聞きました。
すると、「大丈夫です」と言っていただけました。
私は、「一番早い時間でお願いします」と予約しました。
今振り返ると、そのときは本当に焦っていたのだと思います。電話では時間を予約することだけで精いっぱいでした。
電話を切ったあとになって、
「どうやって連れて行けばいいんだろう」
「何を持っていけばいいんだろう」
と、また分からないことが出てきました。
バスタオルに包んで、葬儀業者へ向かった
うさぎは体が小さかったため、家にあったバスタオルで体を包みました。
そして、必要になるかもしれないお金だけを持って、葬儀業者へ向かいました。
今考えると、事前にもっと確認しておけばよかったと思います。
その場で初めて火葬方法を知った

受付では、火葬のプランについて説明を受けました。
私はよく分かっていなかったので、簡単に説明していただき、その中から個別一任火葬を選びました。
そして、「お骨はどうされますか?」と聞かれました。
正直、そのときまで遺骨をどうするかなんて考えていませんでした。火葬をすることだけで頭がいっぱいだったからです。
すると受付の方が、
- 骨壺に入れて渡してもらう方法
- 提携先の寺院で供養する方法
- 遺骨の一部を専用のアクセサリーに入れて身につける方法
などについて説明してくださいました。
私は、
「肌身離さず、あの子を感じていたい」
と思い、その場でアクセサリーを選び、遺骨の一部を入れてもらう方法を選びました。
最後のお別れをする時間

受付が終わると、「準備をするので少しお待ちください。最後のお別れをしてください」と言われました。
案内された部屋で、バスタオルを少しめくりました。そして、頭を撫でながら最後の時間を過ごしました。
そこでようやく、少しだけ落ち着いて、その子のそばにいることができたように思います。
利用した葬儀社では専用のかごを用意してくださったので、その中に身体を寝かせました。
その後は、火葬が終わるまでその場で待ちました。
正確な時間は覚えていませんが、1時間はかからなかったと思います。
そして、「終わりました」と声をかけられました。
手渡されたのは、小さなアクセサリーでした。
そこには、あの子の遺骨の一部が入っていました。
それを手にしても、まだ実感がありませんでしたが、会計を済ませ、自宅へ戻りました。
帰宅してから、ようやく悲しみを感じるようになった

家に戻っても、すぐには現実を受け入れられませんでした。
それまでそこにいたはずのピピが、もういません。
しばらくは、空になったケージを見ることができず、ケージの掃除も片付けもできないまま、時間だけが過ぎていきました。
一方で、火葬のときに選んだ小さなアクセサリーは、いつも身近にありました。
そのアクセサリーを手にすると、少しだけあの子を近くに感じられるような気がしました。
家族にも励ましてもらい、時間が経つにつれて、少しずつ気持ちも落ち着いていきました。
今でも「こうしておけばよかった」と思うこと

その経験から時間が経ち、私はその後、ペット葬儀について知る機会が増えました。
そして、当時の自分が何も知らなかったことに驚きました。
もちろん、そのときの私は、そのときできることを精いっぱいやっていました。
葬儀業者の方にも寄り添っていただき、不満があったわけではありません。
それでも、今振り返ると、「もっとこうしておけばよかった」と思うことがあります。
もう少しゆっくりお別れしたかった
当時は「できるだけ早く火葬しなければ」と思い込んでいました。
そのため、十分に心の準備をする時間を取らないまま、火葬へ向かいました。
今なら、まず落ち着いてお別れの時間を作ることを考えると思います。
体をきれいに整えてあげたかった
当時は、亡くなった後のお身体をどうすればいいのかも知りませんでした。
今なら、状態を確認しながら、できる範囲で体を整えてあげたいと思います。
最後にブラッシングをしてあげる時間も作りたかったです。
一緒に入れられるものを確認したかった
あの子に似合うお花を選んで、一緒に火葬できるか聞いてみてもよかったと思います。
手紙を書いて、一緒に送り出すこともできたかもしれません。
当時は、そんなことを考える余裕がありませんでした。
家族みんなでお別れしたかった
火葬を急いだことで、家族が仕事から帰ってくるのを待つという選択もしませんでした。
今思えば、家族みんなで最後に顔を見て、触れて、声をかける時間を作ってもよかったと思います。
葬儀業者を比較すればよかった
当時は、料金相場も火葬方法の違いも分かりませんでした。
そのため、近くにある業者へ電話をして、そのままお願いしました。
幸い、とても丁寧に対応してくださる方だったので、大きな不満はありませんでした。
ただ、今なら火葬方法や料金、返骨の有無などを確認して、いくつか比較してから決めると思います。
知識があれば、もう少し落ち着いて見送れたかもしれない
この経験をしたからこそ、今は「事前に知っておくこと」の大切さを強く感じています。
ペットとの別れは、できれば考えたくないことです。
「まだ元気だから」
「考えるだけでつらいから」
と、目をそむけたくなる気持ちもよく分かります。
私自身も、まさかあの日に突然お別れすることになるとは思っていませんでした。
だからこそ、今なら少しだけでも知識を持っておきたいと思います。
ペットが亡くなったとき、
- まず何をすればいいのか
- お身体をどう安置すればいいのか
- 火葬にはどんな方法があるのか
- 何を一緒に火葬できるのか
- どのくらい費用がかかるのか
- 遺骨をどうするのか
こうしたことを知っているだけでも、突然その時を迎えたときの戸惑いは少し違うかもしれません。
もちろん、知識があったからといって、悲しみがなくなるわけではありません。
私自身、今でも「あのとき、こうしておけばよかった」と思うことがあります。
それでも、これからお別れを迎える方には、できるだけ慌てず、その子との最後の時間を大切にしてほしいと思っています。
この経験を、これからの発信に生かしたい

私にとって、初めて身近なペットとの別れを経験した出来事でした。
当時は何も分からず、ただただ焦ってしまいました。
今でも後悔がまったくないわけではありません。
だからこそ、同じように突然の別れを迎えた方に、
「何をすればいいのか分からない」
という思いをできるだけしてほしくないと思っています。
いつか来る別れを避けることはできません。
けれど、あらかじめ少しだけ知識を持っておくことで、そのときに慌てず、大切な子との最後の時間に向き合う余裕を持てるかもしれません。
目をそむけたくなることだからこそ、元気な今のうちに知っておく。
それも、ペットと暮らす私たちにできる準備のひとつなのだと思います。
このサイトでは、私自身の経験だけではなく、ペット火葬や供養について調べ、飼い主の方がその時々で必要な情報を確認できるよう、さまざまなテーマを紹介しています。
あの子との別れを経験した私だからこそ、少しでも穏やかにお別れの時間を過ごせるような情報をこれからも届けていきたいと思っています。


