2019年4月28日。
16歳5ヶ月だった愛猫「カルア」が亡くなりました。
カルアは、約5か月にわたって扁平上皮癌と闘っていました。
自分で十分に食事を取ることが難しくなり、食道チューブから食事を与える毎日。
そして病気が進んでからは、とても水を欲しがるようになりました。
亡くなった日の朝も、仕事へ行く前にカルアへ食事と水を与えましたが、それでも、まだ水を欲しがっていました。
でも私は仕事へ行かなければなりません。
「帰ったらまた水飲ませてあげるから」
そう言って、私は家を出ました。
それが、生きているカルアにかけた最後の言葉になりました。
仕事から帰宅したとき、カルアはすでに息をしていませんでした。
さらに、仕事の都合ですぐに葬儀をすることができず、実際に火葬できたのは亡くなってから5日後。
その5日間、
「このままで大丈夫なのか」
「もっと早く火葬してあげた方がいいのではないか」
という不安を抱えながら、自宅でカルアを安置しました。
この経験は、のちに私がペット葬儀について詳しく調べ、「虹の架け橋」を作ろうと考えるようになった大きなきっかけの一つになりました。
※この記事は、私自身が愛猫カルアを見送った実体験をもとに書いています。病気の症状や治療、亡くなったペットの安置方法などは、状態や季節、環境によって異なります。
この記事でお伝えする体験
・16歳5ヶ月の愛猫カルアを扁平上皮癌で見送った経験
・食道チューブを使いながら約5か月間介護した経験
・仕事中にカルアが亡くなり、最期に立ち会えなかった経験
・亡くなってから火葬まで5日間、自宅で安置した経験
・個別火葬、お骨拾い、四十九日、永年供養までの経験
野良猫だったカルア

カルアと出会ったのは、まだ生後3か月くらいと思われる頃でした。
もともとは野良猫です。
当時付き合っていた彼女が、カルアを拾ってきました。
ノミだらけの小さな子猫でした。
でも、初めて顔を見たとき、
「かわいい」
と抱き上げ、正直その瞬間にカルアの顔に一目惚れしました。
先住猫「ミルク」に繋がる名前がいいと思い「カルアミルク(カクテル名)」から「カルア」と名付けました。
それからカルアは、我が家の一員になりました。
※この記事に掲載している写真・動画の一部は当時撮影したもののため、現在のスマートフォンで撮影したものと比べると画質が粗いものがあります。
とても怖がりだったカルア

カルアは、とても怖がりな猫でした。
我が家へ来てからしばらくの間、人の気配がするとすぐに隠れてしまいます。
特に印象に残っているのが、押し入れです。
カルアは長い間、押し入れの中で過ごすことが多く、6年ほどはほとんどそこが自分の居場所になっていました。
それくらい臆病な猫でした。
でも、6年間の隠居生活を経て、その後は時間をかけて少しずつ変わっていき、人間の中では私だけ、飼い猫の中では先住猫の「ミルク」だけ懐いてくれるようになりました。
ただ、最後まで誰にでも甘えるような猫ではなく、闘病生活の5ヶ月間を除いては、抱っこは全く出来ませんでした。
だからこそ、
カルアが少しずつ私を信頼してくれるようになったことは、今でも大切な思い出です。
16歳カルアを襲った扁平上皮癌

(これが扁平上皮癌の初期症状でした)
カルアが16歳になった頃、扁平上皮癌を患いました。
そこから約5か月間、闘病生活が続きました。
※この記事では、扁平上皮癌の詳しい症状や治療方法についての解説は行わず、カルアとの闘病生活で私自身が経験したことを中心にお伝えします。
病気が進行すると、自分で十分に食事を取ることが難しくなり、カルアは食道チューブの手術を受け、術後はそこから食事を与えるようになりました。
毎朝、私はいつもより1時間ほど早く起きて、カルアに食事を与えていました。
食事を用意して、チューブから少しずつ与える。
その後、風呂場でカルアに水を飲ませる。
仕事へ行く前と帰宅後の、毎日の習慣です。
当時は大変だと思うこともありました。
でも今振り返ると、それもカルアと一緒に過ごした大切な時間だったと思います。
とにかく水が飲みたい ※実際の映像あり
病気が進んでからのカルアは、とても水を欲しがるようになりました。
何度水を飲ませても、まだ欲しがる。
そんな状態でした。
ある日のこと、どうしても水が欲しいカルアは、風呂場へ行き蛇口から滴る水を舐めていたことがありました。
その日からカルアは、水が飲みたいときは自然と風呂場に行き、蛇口に口を付ける。
初めのうちは少しだけ蛇口をひねり水を出してあげていましたが、病気の進行で顎が変形してしまい更に飲みにくそうになったので、吸い飲みを用意して水を飲ませてあげていました。
※この動画には、闘病中のカルアの姿が映っています。病気によって顎の状態が大きく変化しているため、ご覧になる方によってはつらく感じる可能性があります。無理に再生せず、ご自身の判断でご覧ください。
闘病中のカルアに水を飲ませていたときの動画です。
扁平上皮癌の影響で、顎の状態が大きく変化していた時期の映像です。
2019年4月28日の朝

2019年4月28日。
その日の朝も、私はいつものようにカルアに食道チューブから食事を与え、水を飲ませました。
でもカルアは、まだ水を欲しがっていました。
もっと飲みたそうにして、なかなか風呂場から離れません。
本当なら、もう少し飲ませてあげたかったのですが、出勤時間が迫っていたので、
カルアに、
「帰ったらまた水飲ませてあげるから、待っててな、ごめんな」
そう言って、家を出ました。
まさか、それが最後の言葉になるとは思っていませんでした。
カルアは虹の橋を渡りました

仕事を終えて、自宅へ帰り、私はすぐに状況を理解して泣き崩れました。
そこには、横たわって息をせず冷たくなったカルアの姿があったからです。
私はカルアの最期に立ち会うことができませんでした。
朝、家を出るときには生きていました。
そして、
「帰ったらまた水飲ませてあげるから」
と言ったのに。
その約束を果たすことはできませんでした。
カルアを抱きしめて、大声で泣きました。
普段はほとんど抱っこさせてくれなかったカルア。
そのカルアを、私は抱きしめていました。
今でもカルアのことを思い出すと、
「あの朝、もう少し水を飲ませてあげればよかった」
という気持ちが残っています。
もしもう少し水を飲ませていたとしても、何かが変わったのかは分かりません。
それでも、
「帰ったらまた水飲ませてあげるから」
という言葉は、今でも忘れることができません。
※次の章にて、亡くなったあとのカルアの写真を掲載しています。穏やかな状態の写真ですが、苦手な方は読み飛ばしてください。
身体をきれいにして、一緒に寝る

病気の影響もあり、亡くなったカルアの身体は汚れていました。
私はカルアの身体をきれいにしました。
そして、その夜はカルアと一緒に過ごしました。
生きている間は、ほとんど抱っこさせてくれなかった猫です。
でも、このときは何度も撫でました。
長い間一緒に暮らしてきたカルアが、もう動かない。
頭では分かっていても、すぐには受け入れられませんでした。
葬儀がすぐに出来ない

カルアが亡くなったあと、私は以前ジジとキキをお願いしたペット葬儀社へ連絡しました。
ただ、仕事の都合がありました。
亡くなった翌日からも仕事が続き、すぐに葬儀へ連れて行くことができませんでした。
結果として、カルアの葬儀を行ったのは亡くなってから5日後でした。
4月の終わりです。
少しずつ暖かくなってくる時期でした。
私は、
「5日間も、このままで大丈夫なのか」
「傷んでしまわないだろうか」
「もっと早く火葬してあげるべきではないのか」
と不安でした。
でも、仕事を休むこともできませんでした。
火葬までの5日間:クーラーボックスでの安置

カルアの身体は、クーラーボックスに入れて安置しました。
保冷剤を使いながら、できるだけ冷たい状態を保つようにしました。
毎日、保冷剤の状態を確認しました。
そして毎日、クーラーボックスを開けてカルアを撫でました。
「こんなところに入れていていいのかな」
という気持ちもありました。
申し訳ないという気持ちもありました。
当時の私は、亡くなったペットを数日間自宅で安置するときに、どうするのが適切なのか詳しく知りませんでした。
インターネットで調べながら、自分なりに考えて対応していました。
※これは2019年に私が実際に行った安置方法についての体験談です。亡くなったペットの状態や体格、季節、室温などによって適切な安置方法や可能な期間は異なります。現在ペットを亡くされ、火葬まで日数が空く場合は、利用予定のペット葬儀社などへ早めに相談することをおすすめします。
ペット葬儀へ

ようやく仕事が休みになり、カルアの葬儀の日を迎えました。
お願いしたのは、ジジとキキのときと同じペット葬儀社です。
キキのときと同じように、近くのコンビニまで迎えに来てもらいました。
カルアが普段使っていたペット用のベッドも一緒に持って行きました。
最後のお別れをして、
花などを添え、
お経をあげてもらいました。
その後、カルアは個別で火葬されました。
記憶では、火葬には1時間ほどかかったと思います。
私はカルアを個別火葬で見送りましたが、ペット火葬には合同火葬・個別一任火葬・立会火葬・訪問火葬など、いくつかの方法があります。
それぞれのお別れの流れや返骨の有無などについては、「ペット火葬の4つの種類と違いを徹底比較」で詳しく紹介しています。
お骨拾い

火葬が終わったあと、カルアのお骨を拾いました。
スタッフの方から説明を受けながら、一つひとつ骨壺へ納めていきました。
葬儀社の方から「喉仏」と説明されたお骨を、最後に納めたことを覚えています。
すべてのお骨を骨壺へ納め、袋に入れてもらいました。
こうしてカルアの葬儀は終わりました。
ジジ。
キキ。
そしてカルア。
同じ葬儀社で、3匹を見送ることになりました。
四十九日まで自宅供養

カルアのお骨も、自宅へ連れて帰り、四十九日までは骨壺を自宅に置き、一緒に過ごしました。
その後、ジジやキキと同じように永年供養をお願い、カルアのお骨も2匹が眠る同じ土へ還してもらいました。
3回目のペット葬儀だったので、葬儀の流れについてはある程度分かるようになっていました。
それでも、
亡くなってから葬儀まで5日間空くという経験は初めてでした。
ペットとの別れは、何度経験しても同じではありませんでした。
ペットの火葬後には、自宅で手元供養を続けるほか、納骨や埋葬など、さまざまな供養の方法があります。
火葬後のお骨をどうするか迷っている方に向けて、火葬から供養まで知っておきたいことを「ペット供養の完全ガイド」にまとめています。
カルアとの別れで強く感じたこと

カルアとの別れでは、今でも二つのことが強く残っています。
一つは、
「帰ったらまた水飲ませてあげるから」
と言って仕事へ行き、その約束を果たせなかったこと。
もう一つは、
亡くなったあと、仕事の都合で5日間も葬儀を待たなければならなかったことです。
その間、
「どうやって安置すればいいのか」
「何日くらいなら大丈夫なのか」
「仕事をしながら、いつ葬儀をお願いすればいいのか」
分からないことばかりでした。
ジジのときには、初めてのペット葬儀そのものが分かりませんでした。
キキのときには、病院で突然亡くなり、最期に立ち会うことができませんでした。
そしてカルアのときには、
「すぐに葬儀へ行けないとき、どうすればいいのか」
という新しい問題に直面しました。
「虹の架け橋」を作る大きなきっかけの一つ

私はそれまでにも、ジジとキキのペット葬儀を経験していました。
カルアを見送る前には、ジジとの別れで初めてペット葬儀を経験し、その半年ほど後には、キキを入院先の動物病院で突然亡くしました。
それぞれの別れについては、下記記事で詳しくお伝えしています。
それでも、カルアとの別れでは、また分からないことがありました。
何度経験しても、そのときになって初めて知ることや、迷うことがありました。
特にカルアの場合、
仕事を休めない。
すぐに火葬できない。
でも、亡くなったカルアをどうしてあげればいいのか分からない。
そんな状況でした。
大切なペットを亡くした直後に、冷静にたくさんの情報を調べるのは簡単ではありません。
「必要な情報を、もっと分かりやすく探せたらいいのに」
「自分の状況に合う葬儀社や火葬方法を、迷わず探せたらいいのに」
当時の私は、ペット葬儀社をどのような基準で比較すればよいのか、十分には分かっていませんでした。
現在ペット葬儀社を探している方に向けて、火葬方法や返骨、料金、問い合わせ時の対応など、確認しておきたいポイントを「ペット火葬業者の選び方」にまとめています。
カルアとの別れで感じたことは、のちに私がペット葬儀について調べ、「虹の架け橋」を作ろうと考える大きなきっかけの一つになりました。
ただ、カルアとの別れだけが理由ではありません。
ジジ、キキ、そしてその後に見送ることになるミルク。
4匹との別れを通して、私はそのたびに違うことで迷いました。
その経験の積み重ねが、現在の「虹の架け橋」につながっています。
今でも残っている後悔

カルアが亡くなってから、長い時間が経ちました。
それでも、あの日の朝のことは覚えています。
水を欲しがっていたカルア。
仕事へ行かなければならなかった私。
そして、
「帰ったらまた水飲ませてあげるから」
と言って家を出たこと。
今でも、
「もう少しだけ、水を飲ませてあげればよかった」
と思います。
でも同時に、
約5か月間、毎朝早く起きて食事を与え、水を飲ませていた事実も記憶に残っています。
カルアは、とても怖がりな猫でした。
長い間、押し入れに隠れていた猫でした。
抱っこもほとんどさせてくれませんでした。
そんなカルアが、長い時間をかけて私を信頼してくれました。
カルア。
最後に水を飲ませてあげられなくて、ごめんね。
そして、
約16年間、一緒にいてくれてありがとう。
この体験談について
この記事は、私自身が愛猫カルアを見送った際の経験をもとに書いています。
カルアは扁平上皮癌を患い、約5か月間の闘病生活を送りました。
記事内で紹介している食道チューブによる給餌や、闘病中の様子については、あくまで当時のカルアについての記録です。
病気の症状や治療方法についてはペットによって異なりますので、治療については獣医師へご相談ください。
また、亡くなったあとに私が行ったクーラーボックスと保冷剤による5日間の安置についても、すべてのペットに同じ方法や期間が適しているという意味ではありません。
ペットの状態や体格、季節、室温などによって状況は異なります。現在ペットを亡くされ、すぐに火葬できない場合は、利用予定のペット葬儀社などへ早めに相談してください。
ペット葬儀の内容や火葬方法、供養方法についても葬儀社によって異なります。
この記事は、特定の治療方法、安置方法、葬儀方法を推奨するものではなく、一人の飼い主が実際に経験した記録として掲載しています。



